淳溪

278文字の弥勒菩薩半跏思惟像(広隆寺) 黒紙白字経「にひゃくななじゅうはちもじのみろくぼさつはんかしゆいぞう(こうりゅうじ)」 こくししろじきょう)」Size 841mm(H) x 594mm(W)

般若心経は、仏教の教えである「空」を簡潔に説いている278文字の短い経典です。インドで編纂され唐の時代に玄奘三蔵が漢訳しました。仏教の中で大乗仏教の経典として広く受け入れられ悟りに至る智慧を学ぶために読まれています。 
 この般若心経を写経して アルカイックスマイルという飛鳥時代の仏像に見られる微笑みを浮かべた表情をもつ広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像を表現しました。
「唯一無二の複写仏」をコンセプトに「唯一無二」と「複写」という矛盾する二つを融合させた作品です。お経を一文字ずつ丁寧に写す「写経」と仏さまのお姿に願いを込めながら丁寧に写す「写仏」を融合した作品を『写経アート』と命名し、自身が揮毫した唯一無二の文字とデジタル複写技術を融合させることで具現化しました。
「天下第一のお経」と言われる般若心経の思想「空(くう)」の概念は、存在があっても実体がないこと、すべてのものは移ろい変わらないものはなく、全ては関係性の上で成り立っていることの在り方を説明する考えです。
「実体」を持つ写経の一文字一文字が関係性の上で成り立ち「実態」がない仏の姿が映る現象を体験できます。これを認識している「自己」は、唯一の脳が作り出した概念であり、無二の心と体は「自己」と認識させているだけの固定的な存在ではなく、自己も永久不変なものはなく実体が無い「空」を実感する今の瞬間を作品にしました。「思椎」(しゆい) する弥勒菩薩半跏思惟像を認識する唯一無二の「自分自身の存在」を重ねることで一つの大きな問いを投げかけます。
言葉や数字で示されたものばかりでなく、見えないけれども大切なものがあることを、現代に生きる私たちだからこそ、改めて一人一人が意識的に問いかけます。見えるものの一番身近なものが鏡に映る自分自身の姿だとしたら、見えないもののいちばん身近なものは、日常の自分自身のあり方でしょう。作品の弥勒菩薩のように静けさの中で「思椎」(しゆい)してください。ふっとした気づきが訪れます。静けさの中で人はふっと大切なことに気づく、感じる力を研ぎ澄ませる行い、静かに座り自分の内側を眺めると自分の中から自然に湧き上がるような言葉にできない直観です。ただ在るものとしての私、生きているという事実、すべての人が、今ここにある自分の存在、それを感じられる瞬間を生きることを願っています。

※注釈「思椎」(しゆい) 【心を集中させて考えをめぐらすこと。 深く考えること。 思考すること。】

「唯一無二の複写仏」をコンセプトに「唯一無二」と「複写」という矛盾する二つを融合させた作品。お経を一文字ずつ丁寧に写す「写経」と仏さまのお姿に願いを込めながら丁寧に写す「写仏」を融合した作品を『写経アート』と命名し、自身が揮毫した唯一無二の文字とデジタル複写技術を融合させることで具現化した。般若心経の思想「空(くう)」の概念を「実体」を持った存在の写経と「実態」がない仏の姿が映る現象によって体験できる。認識している唯一の「自分」すら脳が作り出した概念であり、無二の心と体は「自己」と認識させるだけの固定的な存在でなく、自分自身も永久不変でない実体が無い「空」を実感する今の瞬間を作品にした。自己の存在に一つの大きな問いを投げる。それは私だと思っているその存在は、果たしてどこまでが本当なのかと。

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審査得点

作品       (40満点)32点

ポートフォリオ  (20満点) 7点

SNS      (20満点) 1点

エレベーターピッチ(10満点) 5点

ファン審査    (10満点)後ほど期間を限定して投票で決まります

シーズン1第1回審査     45点

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